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絵刺子袢纏とは

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 絵刺子半纏とは、纏でお馴染みの町火消達の防火服であり、
江戸後期から明治、大正、そして第二次大戦前頃まで形を変えながらも、
火消達の身を守ってきた衣服です。
 
  
 素材は、木綿の生地2~3枚を総刺して、
丈夫で水を含みやすくしたもので、
総型模様をあしらった物、紺地の背中に各組の大紋や
印を染め抜いた物などがありました。

 中でも、その半纏の裏側全面に絵の施されたものがあり、
現在特に 『絵刺子半纏』 と呼ばれています。

 
 その源は、幕末に町人達の間で流行した刺青文化だと言われています。
当時の世相では、刺青は決して陰湿なものではなく、むしろ明るく開放的で、
自己アピール的なもの、信仰心の表れ等であり天保の改革に対しての反骨、
反社会的な意味もあったようです。

そして、歌川国芳の描く「水滸伝」の流行が
さらに拍車をかけたといわれています。
 

絵刺子袢纏とは_e0036796_17135282.jpg  
これらの刺青を特に好んだ町火消とは、
鳶職を中心とした男気のある
鯔背(いなせ)な連中です。

 度重なる大火の際、
見知らぬ人のために命をなげうって
火に立ち向かうその姿は、
何よりもかっこ良くて、
命をかけるに足る誇り高い
活動だったのです。
 

 その彼らが火に立ち向かう際に
着ていた刺子半纏の裏側全面に、
自分の刺青と同様、
自分の男気信仰心
に関係のあるもの等を
あらわしたものが 
『絵刺子半纏』 なのです。

 火事場に向かうときはを着て、
皆そろいの大紋で火に立ち向かい、
無事に火事を食い止めた際には、
半纏をひっくり返して裏側の自慢の絵を出して、
皆意気揚々と引き上げていったと
伝えられております。
 


 
by koubou-yoshizumi | 2005-09-13 20:25 | ●【工房芳純】とは。。。
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